パチュリ精油の効能・使い方・歴史を専門家が解説
パチュリ
Pogostemon cablin
Patchouli 別名:パチョリ、パチュリー
基本情報
| 科名 | シソ科 |
|---|---|
| 抽出部位 | 葉 |
| 抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
| 主な産地 | インドネシア(スマトラ)、インド、マレーシア、中国 |
| ノート | ベースノート |
| 香りの系統 | 樹木系 |
| 香りの強さ | 強 |
| ケモタイプ | 商業的なケモタイプ分類は行われていません。パチュロールを主成分とし、蒸留後は数か月間寝かせて熟成させます。精油は粘性が高く、香りが長く残るのが特徴です。 |
香りの特徴
湿った土や苔、墨を思わせる重くスモーキーな香りです。薬草のような苦みとほのかな甘さがあり、好みがはっきり分かれます。つけた直後は粗さを感じますが、時間の経過とともに丸みが増し、ローズにも似た芳醇さが現れます。揮発が遅く、ブレンドの香りを持たせる役割を担います。
効能・効果
心への働き
体への働き
肌への働き
主な成分
パチュロール、α-グアイエン、δ-グアイエン、β-カリオフィレン
使用方法
芳香浴・ディフューザー:1〜2滴をディフューザーに。香りが強いため、広い部屋か換気のある空間で。他の精油とブレンドすると香りがまとまります。
手作り化粧品の香りづけ:固形石けんや練り香水など、香りを持たせたいものに少量加えます。ベースノートとして全体を支えます。
ボディマッサージ:キャリアオイル10mlに1〜2滴(0.5〜1%)。下半身のむくみ感が気になるときに、足元から上へやさしく。
ルームスプレー:無水エタノール5ml+精製水20mlに2〜3滴。香りが重いので、柑橘系1〜2滴と合わせると軽やかになります。
保管:時間とともに香りが育つ精油です。遮光瓶で冷暗所に保管し、数年単位でゆっくり変化を楽しめます。
使用上の注意
原液を皮膚に直接つけないでください。必ずキャリアオイルで希釈して使用します。
香りが強い精油のため、狭い空間や閉め切った部屋では少量にとどめ、換気を心がけてください。
はじめて使うときは、腕の内側などで少量を試し、異常を感じたらすぐに使用を中止してください。
妊娠中・授乳中の方、持病のある方、通院中の方は使用前に主治医へ相談してください。
乳幼児やペットのいる環境では、使用を控えるか、換気をしたうえでごく少量にとどめてください。
精油は粘性が高く、スポイトから出にくいことがあります。ゆっくり傾けて1滴ずつ落とすと扱いやすくなります。
相性の良い精油
歴史と文化
パチュリはインドや東南アジアの原産で、葉に香りがあることから古くは防虫や香りの付け込みに使われてきました。
19世紀、英国へ渡ったカシミールのショールにパチュリの香りがついていたことから、ヨーロッパで「東洋の香り」として広まりました。やがて布地の香りづけとして定着し、1960〜70年代には自由で土着的な香りの象徴として、ふたたび注目を集めます。現在も香水のベースノートとして欠かせない素材です。
豆知識
パチュリは時間の経過とともに香りが良くなる、珍しい精油です。蒸留したては粗く感じられる香りも、寝かせることで丸みと深みを増します。ワインの熟成にたとえられることもあります。
香りの主成分であるパチュロールは、葉が乾く過程で少しずつ増えていきます。収穫した葉を乾燥させてから蒸留するのは、このためです。
香りが長く残るため、布や紙にも移りやすい精油です。エッセンシャルオイルの瓶を開けたままにせず、遮光瓶で密閉して保管してください。
栽培と蒸留が安定しており、10mlあたり1,000円前後から手に入る手頃な価格帯の精油です。熟成が進んだものほど香りの評価が高く、長期保管で味わいが増す珍しい精油でもあります。