ジャーマンカモミール精油の効能・使い方・歴史を専門家が解説

ジャーマンカモミール

Matricaria chamomilla

German Chamomile 別名:カモミール・ジャーマン、カミツレ、ブルーカモミール

執筆:(AromaStyle)

基本情報

科名キク科
抽出部位花
抽出方法水蒸気蒸留法
主な産地エジプト、ハンガリー、ドイツ、フランス、ネパール、インド
ノートミドルノート
香りの系統フローラル系
香りの強さ中
ケモタイプ

商業的なケモタイプ分類は行われていません。カマズレンとα-ビサボロールを特徴成分とし、産地や収穫時期によって含有量に差があります。

畑で開花したジャーマンカモミールの花

香りの特徴

甘く温かみのあるフローラル調に、乾草や青りんごを思わせるハーブ感が重なる香りです。ハーブティーやせっけんでおなじみの親しみやすさがあり、ローマンカモミールと比べると香りの立ち上がりが強く、深みがあります。

効能・効果

心への働き

  • リラックス
  • 安眠・睡眠改善
  • 不安緩和
  • ストレス緩和

体への働き

  • 鎮静
  • 消化サポート
  • 筋肉の緊張緩和

肌への働き

  • 抗炎症
  • 肌荒れケア
  • かゆみのケア

主な成分

カマズレン、α-ビサボロール、ビサボロールオキサイドA、β-ファルネセン

使用方法

  • 芳香浴
  • アロマバス
  • マッサージ
  • スキンケア
  • 蒸気吸入

芳香浴・ディフューザー:2〜3滴をディフューザーに。就寝前や、気持ちを落ち着けたいときに。香りに甘さがあるため、ラベンダーや柑橘系と合わせると軽やかになります。

スキンケアオイル:キャリアオイル10mlに1〜2滴(0.5〜1%)。乾燥や赤みが気になる部分に、やさしく塗布します。顔に使う場合は0.5%以下に。

アロマバス・部分浴:天然塩ひとつまみに1滴を混ぜてから湯に溶かします。肌が敏感なときは足湯から。

蒸気吸入:マグカップのお湯に1滴。タオルで頭を覆い、目を閉じて蒸気を3〜5分ほど吸います。

ブレンドのコツ:香りが濃いので、ブレンドでは1〜2滴にとどめると全体がまとまります。

使用上の注意

キク科アレルギーをお持ちの方は使用を控えてください。ブタクサ・ヨモギなどでもアレルギーが出る方は、とくに注意が必要です。初めて使うときは必ずパッチテストを行ってください。

通経作用があるとされるため、妊娠初期(〜16週)の使用は避けてください。中期以降も低濃度(0.5%以下)にとどめ、心配な場合は医師に相談してください。

強い鎮静作用があるため、低血圧の方は使用後にめまいやだるさを感じることがあります。少量から試してください。

鎮静作用が薬の効果に影響する可能性があるため、向精神薬や睡眠薬を服用中の方は医師に相談してください。

3歳未満への使用は避けてください。3歳以上は芳香浴を低濃度・短時間にとどめ、肌への使用は必ず低濃度で行ってください。

香りが強い精油のため、ブレンドでは1〜2滴の少量使用がおすすめです。

価格帯 スタンダード価格帯(10ml:1,500〜3,500円)
初心者おすすめ度 ★★★★
価格について

収量が比較的安定しており、ブルーカモミールの中では入手しやすい精油です。アズレン配合の市販品もありますが、精油は成分の構成が異なります。まずは10mlの小瓶から試すと選びやすいです。

相性の良い精油

  • ラベンダー
  • ローズ
  • ネロリ
  • ゼラニウム
  • レモン
  • フランキンセンス

歴史と文化

カモミールは和名をカミツレといい、古くから薬草として親しまれてきました。古代エジプトでは太陽神に捧げる花とされ、ヨーロッパでは胃腸の不調や炎症をおさえる生薬として使われています。

精油の濃い青色はカマズレンによるもので、この成分は蒸留の過程で生まれます。生の花には含まれておらず、加熱によって別の成分から変化したものです。家庭で蒸留しても、採取したての精油が青く色づくのはこのためです。

豆知識

カマズレンはアズレン系の成分で、うがい薬や軟膏にも使われています。精油の色は抽出ロットによって濃淡があり、時間の経過とともに退色します。色の濃さは品質の指標にはなりません。

ローマンカモミールと名前が似ていますが、科は同じでも別の植物です。ローマンカモミールの精油は淡い黄色で、カマズレンを含みません。香りも作用も異なるため、用途で選び分けます。

おすすめのブレンドレシピ

ジャーマンカモミールを使ったブレンドレシピを、用途別にご紹介します。記事は順次公開予定です。

  • スキンケアのクレイパック:赤みや乾燥が気になるときのフェイスケアに。→ レシピ詳細
  • 傷あとのケアオイル:肌の印象を整えたいときのスポットケアに。→ レシピ詳細
  • 就寝前のピローミスト:香りで休息のスイッチを入れたいときに。→ レシピ詳細
  • 低気圧の日の胃腸ケア:気圧の変化で胃腸が重いときに。→ レシピ詳細

よくある質問

Q1. ジャーマンカモミールとローマンカモミールはどう違いますか?

同じキク科ですが別の植物です。ジャーマンカモミールの精油はカマズレンを含み濃い青色で、香りは強め。ローマンカモミールの精油は淡い黄色で、香りは甘くまろやか、作用は穏やかです。肌のケアにはジャーマン、子どもの安眠ややさしい鎮静にはローマンが向くといわれます。

Q2. 精油が青いのはなぜですか?

カマズレンという成分によるものです。生の花には含まれておらず、水蒸気蒸留の過程で別の成分から変化して生まれます。青みの濃さは抽出条件で変わり、品質の良し悪しを示すものではありません。

Q3. 妊娠中でも使えますか?

妊娠初期(〜16週)の使用は避けてください。中期以降も低濃度(0.5%以下)にとどめ、使用前に医師へ相談してください。通経作用が報告されているためです。

Q4. キク科アレルギーですが、使えますか?

使用を控えてください。カモミールはキク科の植物で、ブタクサやヨモギのアレルギーがある方にも注意が必要です。代わりにラベンダーやネロリなど、別の科の精油をご検討ください。

Q5. 子どもにも使えますか?

3歳未満への使用は避けてください。3歳以上でも芳香浴を低濃度・短時間にとどめ、肌への使用は低濃度(0.5%以下)で行ってください。

Q6. 香りが強く感じます。どうすればいいですか?

甘く濃い香りが特徴なので、ブレンドでは1〜2滴にとどめるとまとまります。ラベンダーやオレンジスイート、レモンなどと合わせると軽やかになります。