タイム(リナロール)精油の効能・使い方・免疫ケアやマイルドな抗菌に人気のブレンド・注意点を徹底解説
タイム(リナロール)
Thymus vulgaris CT linalool
Thyme CT Linalool 別名:タイムリナロール, タイム・リナロール, スイートタイム, コモンタイム(リナロール), Sweet Thyme, Thyme Linalool
基本情報
| 科名 | シソ科 |
|---|---|
| 抽出部位 | 花と葉 |
| 抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
| 主な産地 | フランス・スペイン・モロッコ・地中海沿岸 |
| ノート | トップ〜ミドル |
| 香りの系統 | ハーブ系 |
| 香りの強さ | 中 |
| ケモタイプ | タイム精油のケモタイプと本記事の対象タイム(Thymus vulgaris)はケモタイプ(化学型)が多数存在する代表的な精油で、生育環境により含有成分が大きく異なります。代表的なケモタイプは以下の通りです。
本記事は最もマイルドで初心者でも扱いやすいタイム・リナロールを対象としています。チモール型は皮膚刺激や禁忌が大きく異なるため別記事で詳述します。詳しくはタイム(チモール)の記事もご参考ください。 |
香りの特徴
タイム(リナロール)の香りの特徴
タイム(リナロール)は、やわらかく甘いハーバル調に、ほのかなフローラルノートが漂う穏やかな香りが特徴です。一般的に「タイム」と聞いてイメージするシャープでスパイシーな香りとは異なり、リナロール主体ならではの優しく親しみやすい香り立ちです。
主成分のリナロール(60〜80%)が、ラベンダーにも通じる落ち着いた印象を生み出しています。リラックスと抗菌性を両立した使いやすい香りで、子ども部屋や寝室、敏感な体調の時にも取り入れやすい精油です。
柑橘系・フローラル系・他のハーブ系と幅広く相性が良く、日常使いのブレンドベースに重宝されます。
効能・効果
心への働き
体への働き
肌への働き
主な成分
リナロール 60〜80%
酢酸リナリル 5〜15%
テルピネン-4-オール 2〜8%
γ-テルピネン 1〜5%
p-シメン 1〜5%
ミルセン 1〜3%
カリオフィレン 1〜3%
使用方法
体調が気になる季節の免疫サポートに
季節の変わり目や疲れが溜まった時、タイム(リナロール)の免疫サポート作用を活かしてディフューザーで芳香浴を取り入れましょう。ユーカリやティートリーとブレンドすると、清潔感のある空気環境を整えます。穏やかな精油なので長時間の芳香浴にも適しています。
子どもの部屋にも使えるマイルドな抗菌ケア
リナロール型はタイムの中で最もマイルドで、6歳以上の子どもの部屋でも使いやすい精油です。風邪が流行る時期のルームスプレーや、就寝前のディフューザーでの空間ケアに少量から取り入れてみてください。ラベンダーとブレンドすると寝つきのサポートにも役立ちます。
呼吸が気になる時の蒸気吸入
喉や鼻が気になる時は、洗面器に熱めのお湯を張りタイム(リナロール)を1滴垂らして蒸気吸入を行います。目を閉じてゆっくり呼吸することで、すっきりとした呼吸感を取り戻します。ユーカリやペパーミントと組み合わせるとより爽やかな印象になります。
頭皮ケア・ニキビケアの肌ケアブレンドに
抗菌・抗炎症作用を活かし、シャンプーやキャリアオイルに少量加えて頭皮マッサージや背中のケアに使えます。フェイス用途は0.5%以下の低濃度を厳守し、必ずパッチテスト後に使用してください。皮脂が気になる肌タイプにおすすめです。
使用上の注意
※妊娠・授乳中の使用:妊娠初期は経皮使用を避け、芳香浴のみ短時間で使用してください。妊娠中期以降は0.5%以下の低濃度であれば芳香浴・マッサージ使用可ですが、医師にご相談の上ご使用ください。
※子どもへの使用:6歳以上であれば芳香浴・低濃度(0.5%以下)の経皮使用が可能です。3〜6歳は芳香浴のみ短時間で使用し、3歳未満への使用は避けてください。
※希釈濃度:ボディマッサージは1%以下、フェイス・スキンケアは0.5%以下を推奨します。敏感肌の方は0.25%以下から始めてください。
※光毒性:光毒性はありません。日中の使用も問題ありません。
※保存期間・方法:開封後は1年以内を目安に、冷暗所で遮光瓶にて保存してください。酸化により皮膚刺激性が高まる場合があります。
※ペットへの使用:猫がいる空間での使用は避けてください。犬の場合も濃度に注意し、ペットが香りを嫌がる場合は使用を中止してください。
※持病・アレルギー:シソ科アレルギーのある方は使用を避けてください。低血圧の方、ホルモン感受性疾患(子宮筋腫・子宮内膜症等)のある方は医師にご相談ください。
※パッチテスト:皮膚使用前は必ず24時間以上のパッチテストを行ってください。刺激を感じたら直ちに使用を中止してください。
※プラスチック容器:成分が容器を溶かす可能性があるため、必ずガラス容器を使用してください。
※注釈:本注意事項はTisserand & Young『Essential Oil Safety』第2版およびIFRA基準を参考に、タイム(リナロール)の皮膚最大使用濃度の目安等のエビデンスに基づき設定しています。タイム精油はケモタイプにより禁忌・希釈濃度が大きく異なるため、必ずリナロール型であることを確認のうえ使用してください。
相性の良い精油
歴史と文化
古代エジプトから愛されたハーブ
タイムは古代エジプトでミイラの防腐処理に使用されたことで知られ、その強力な抗菌作用が古くから認識されていました。語源はギリシャ語の「thymos(勇気・力)」に由来し、戦士たちはタイムの香りを身につけて戦に臨んだとされています。
中世ヨーロッパの薬草
中世ヨーロッパではタイムはペストや感染症対策のハーブとして重用され、修道院の薬草園で広く栽培されました。「四人の盗賊の酢」と呼ばれる伝説的な感染予防剤にもタイムが配合されていたとされています。料理用ハーブとしても定着し、現在も地中海料理に欠かせない存在です。
ケモタイプ精油の代表格
近代以降、ガスクロマトグラフィー分析により、タイム精油には生育環境による化学的多様性があることが明らかになりました。同じ学名Thymus vulgarisでも、標高・気候・土壌により主成分が大きく異なるため、ケモタイプ(化学型)という概念の代表例として知られています。
豆知識
タイムの名前は「勇気」
タイムの語源はギリシャ語の「thymos」で、「勇気」「活力」「魂」を意味します。中世の貴婦人は出征する騎士にタイムの小枝を刺繍したスカーフを贈り、勇気を授ける習慣がありました。
ケモタイプは標高で変わる
タイムのケモタイプは、同じ畑でも標高による違いが現れることが知られています。低地ではチモール型(強い抗菌)、高地ではリナロール型・ゲラニオール型(マイルド)が増える傾向にあり、自然の不思議として研究されています。
ハチミツの蜜源としても有名
タイムの花は蜜蜂に好まれ、ギリシャの「タイムハニー」は世界三大ハチミツの一つに数えられます。古代ギリシャ哲学者アリストテレスもタイムハニーを称賛したと伝えられています。
料理ハーブとしての世界的存在
タイムはフランス料理の「ブーケガルニ」、地中海料理、中東料理の「ザータル」など、世界中で愛される料理ハーブです。精油と食用ハーブの両方で人々の暮らしを支える稀有な植物といえます。
おすすめのブレンドレシピ
季節の変わり目の免疫サポートディフューズ
ディフューザーにタイム(リナロール)2滴+ユーカリ3滴+レモン3滴。清潔感のあるハーバル&シトラスブレンドで、空気が気になる季節の空間ケアに役立ちます。日中のリビングや玄関での使用におすすめです。
子どもの寝室向けやさしいピローミスト
50mlスプレーボトルに無水エタノール5ml+精製水45ml+タイム(リナロール)2滴+ラベンダー4滴+ローマンカモミール2滴。マイルドで安全性の高いブレンドで、就寝前の寝室の空気を整えます。子どものシーツや枕にひと吹きしてからしばらく置いてご使用ください。
頭皮ケアのスカルプトリートメントオイル
30mlのホホバオイルにタイム(リナロール)4滴+ローズマリー(シネオール)3滴+ラベンダー3滴。皮脂バランスを整え清潔な頭皮環境をサポートします。シャンプー前に頭皮に塗布し、5分ほどマッサージしてから洗い流してください。
呼吸すっきり蒸気吸入ブレンド
洗面器に熱めのお湯を張り、タイム(リナロール)1滴+ユーカリ1滴+ペパーミント1滴を加え、タオルを頭からかぶって目を閉じて深呼吸。喉や鼻のすっきり感をサポートします。1日1〜2回、5分以内を目安にご使用ください。
タイム(リナロール)精油は10mlあたり2,500〜4,500円が一般的な相場です。オーガニック認証品やAOP認証のフランス産は4,000〜6,000円程度。ケモタイプ品質を保証するため信頼できるブランド(プラナロム、ファルファラ、生活の木メディカルグレード等)からの購入をおすすめします。チモール型より高価ですが、安全性が高く幅広い用途に使えるためコストパフォーマンスは良好です。