ベンゾイン(レジノイド)精油の効能・使い方・歴史を専門家が解説

ベンゾイン(レジノイド)

Styrax benzoin

Benzoin 別名:安息香(あんそくこう)、ベンゾイン・レジノイド、スマトラ安息香

執筆:(AromaStyle)

基本情報

科名エゴノキ科
抽出部位樹脂
抽出方法溶剤抽出法
主な産地インドネシア(スマトラ)、タイ、ベトナム、ラオス
ノートベースノート
香りの系統樹木系
香りの強さ中
ケモタイプ

商業的なケモタイプ分類は行われていません。樹脂を溶剤で抽出したもので、この製法で得られる樹脂性の精油は「レジノイド」とよばれます。

ベンゾインの木の幹に固まった樹脂

香りの特徴

バニラに似た甘く温かいバルサム調の香りです。ほのかなスパイシーさと樹脂の深みがあり、嗅ぐとあたたかさを感じます。ベースノートとして香りを長く保ち、ブレンドの土台をつくります。

効能・効果

心への働き

  • 鎮静
  • リラックス
  • 安心感

体への働き

  • 呼吸のケア
  • 消化サポート

肌への働き

  • 肌荒れケア
  • 肌の保護
  • 抗菌

主な成分

安息香酸ベンジル、安息香酸、バニリン、桂皮酸ベンジル

使用方法

  • 芳香浴
  • アロマバス
  • スキンケア
  • ルームスプレー

芳香浴・ディフューザー:1〜2滴をディフューザーに。甘く温かい香りで、気持ちを落ち着けたいときに。樹脂系は加熱しすぎると焦げた香りになるため、低温で使います。

スキンケアオイル:キャリアオイル10mlに1〜2滴(0.5〜1%)。乾燥が気になる部分の保護に。

リップバームの香りづけ:蜜蝋とキャリアオイルでつくるバームに少量加えます。甘い香りが長く残ります。

ルームスプレー:無水エタノール5ml+精製水20mlに2〜3滴。溶けにくいため、よく振ってから使います。

扱い方のコツ:粘性が高く瓶から出にくい精油です。ゆっくり傾けて1滴ずつ落とすか、50%に希釈された市販品を使うと扱いやすくなります。

使用上の注意

溶剤で抽出した精油(レジノイド)です。アブソリュートと同様、敏感肌の方はとくに慎重に使用し、必ずパッチテストを行ってください。

粘性が高く、スポイトから出にくい精油です。無理に押し出すと一度に多く出るため、ゆっくり扱ってください。

肌への使用は1%以下に希釈し、原液を塗布しないでください。

妊娠中・授乳中の方、持病のある方、通院中の方は使用前に医師へ相談してください。

乳幼児やペットのいる環境では、使用を控えるか換気をしたうえでごく少量にとどめてください。

精油はプラスチック容器を変質させることがあるため、ガラス容器で保管してください。

価格帯 デイリー価格帯(10ml:〜1,500円)
初心者おすすめ度 ★★★★
価格について

樹脂を原料としますが流通量が多く、手に取りやすい価格帯の精油です。粘性が高いため、アルコールやキャリアオイルで希釈した製品も流通しています。はじめての場合は10mlの小瓶から。

相性の良い精油

  • フランキンセンス
  • ミルラ
  • オレンジスイート
  • ラベンダー
  • サンダルウッド
  • ローズ

歴史と文化

ベンゾインは和名を安息香といい、東南アジアで古くから薫香として使われてきました。寺院の香りや、線香の原料としても広く用いられています。

産地によってスマトラ安息香とシャム安息香に分けられ、香りの印象が異なります。ヨーロッパには香料として渡り、バニラに似た甘さから菓子や酒の香りづけにも使われました。現在でも香水のベースノートとして欠かせない素材です。

豆知識

樹脂を溶剤で抽出したものを「レジノイド」とよびます。精油というより樹脂成分の濃い抽出物に近く、粘性が高く、色は褐色です。

樹液が採れるようになるまでには、植林から数年から十数年かかるといわれます。樹皮に傷をつけてにじみ出た樹液を固めて集めます。

安息香酸は食品の保存料としても使われてきた成分です。ただしエッセンシャルオイルは口にするものではなく、食用にはできません。

おすすめのブレンドレシピ

ベンゾイン(レジノイド)を使ったブレンドレシピを、用途別にご紹介します。記事は順次公開予定です。

  • 練り香水:持ち歩ける香りをつくるときに。甘いベースが活きます。→ レシピ詳細
  • 傷あとのケアオイル:肌の印象を整えたいときのスポットケアに。→ レシピ詳細
  • リップバーム:唇の乾燥が気になるときに。→ レシピ詳細
  • 就寝前のピローミスト:香りで休息のスイッチを入れたいときに。→ レシピ詳細

よくある質問

Q1. ベンゾインは精油ではないのですか?

樹脂を溶剤で抽出したもので、「レジノイド」とよばれます。ローズやジャスミンのアブソリュートと同じ抽出方法の仲間です。アロマテラピーでは精油の一種として扱われます。

Q2. バニラのような香りがします。なぜですか?

バニリンという成分を含むためです。甘く温かいバルサム調の香りは、菓子や香水のイメージに重なります。

Q3. 瓶から出にくいのですが、どうすればいいですか?

粘性が高い精油のため、ゆっくり傾けて1滴ずつ落としてください。無理に押すと多く出ます。アルコールやキャリアオイルであらかじめ希釈した製品を使う方法もあります。

Q4. 妊娠中でも使えますか?

妊娠中・授乳中は、使用前に医師へ相談してください。使用する場合は芳香浴中心の低濃度にとどめてください。

Q5. 敏感肌ですが使えますか?

溶剤で抽出しているため、敏感肌の方は慎重に使用してください。必ずパッチテストを行い、異常がなければ1%以下の低濃度から始めてください。

Q6. 香りが長く残るのはなぜですか?

ベースノートの精油で揮発が遅いためです。ブレンドの香りを持たせる役割があり、少量でも全体の印象を変えます。