ローズ(アブソリュート)精油の効能・使い方・歴史を専門家が解説
ローズ(アブソリュート)
Rosa × centifolia
Rose Absolute 別名:ローズ・アブソリュート、ローズアブソリュート、キャベッジローズ
基本情報
| 科名 | バラ科 |
|---|---|
| 抽出部位 | 花 |
| 抽出方法 | 溶剤抽出法 |
| 主な産地 | モロッコ、トルコ、フランス(グラース) |
| ノート | ミドルノート |
| 香りの系統 | フローラル系 |
| 香りの強さ | 強 |
| ケモタイプ | 商業的なケモタイプ分類は行われていません。溶剤で花から抽出したのち、エタノールで処理してロウ分を除いたものです。フェニルエチルアルコールを多く含みます。 |
香りの特徴
蜜のように濃厚で華やかなバラの香りです。ローズオットーより甘く重く、香りの持ちが良いのが特徴。少量でも全体を包み込み、ブレンドに華やかさと深みを与えます。
効能・効果
心への働き
体への働き
肌への働き
主な成分
フェニルエチルアルコール、シトロネロール、ゲラニオール、ネロール
使用方法
芳香浴・ディフューザー:1滴をディフューザーに。香りが濃厚なので、単独でも十分に香ります。サンダルウッドやネロリと合わせると深まります。
スキンケアオイル:キャリアオイル10mlに1滴(0.5%)。顔に使う場合は0.3%以下(10mlに1滴未満)を目安に、ホホバオイルなどで薄めて。
アロマバス:天然塩ひとつまみに1滴を混ぜてから湯に溶かします。少量でも香りが広がります。
ブレンドのコツ:ローズオットーと合わせると香りの層が厚くなります。1滴ずつ、様子を見ながら加えてください。
保管:低温で固まることがありますが、品質には影響しません。手のひらで温めてから使います。
使用上の注意
溶剤で抽出した精油です。敏感肌の方はとくに慎重に使用し、必ずパッチテストを行ってください。
妊娠初期(〜16週)の使用は避けてください。中期以降は医師に相談のうえ、低濃度で使用してください。授乳中は芳香浴のみとし、肌への使用は控えてください。
3歳未満への使用は避けてください。3歳以上も低濃度(0.3%以下)で慎重に使用してください。
希釈濃度は顔0.3〜0.5%、ボディ1%以下を目安とし、原液を直接肌に塗布しないでください。
開封後は1年以内を目安に使い切り、冷暗所で遮光ガラス瓶に保管してください。低温で固化しますが品質には影響しません。
猫には使用しないでください。犬・小動物の近くでの使用も控えめにしてください。
相性の良い精油
歴史と文化
南フランスのグラースは、花の香りを抽出する技術が発達した土地として知られています。19世紀には、バラやジャスミンの花から香りを採る産業が盛んになり、香水づくりの中心地となりました。
キャベッジローズは、16世紀にオランダで育成されたとされるバラで、花びらの数が多いことから「キャベッジ(キャベツ)」の名がつきました。溶剤抽出は、熱で香りが変わりやすい花から香りを採るために考案された方法です。
精油は花びらから溶剤で香りを移し、その後エタノールで処理してロウ分を取り除いてつくられます。この製法で得たものをアブソリュートとよびます。
豆知識
ローズオットーとアブソリュートの大きな違いは、フェニルエチルアルコールの含有量です。この成分は水に溶けやすいため、水蒸気蒸留では大部分が水層に移ってしまいます。溶剤抽出のアブソリュートは、この成分を多く含み、資料によっては50〜75%程度とされます。
そのため、アブソリュートはより甘く濃厚な香りになります。香りの印象と価格の両方で違いが出るのは、この成分量が理由です。
バラの精油は、花びらを摘む時間帯によって香りが変わります。早朝の涼しい時間に手摘みされることが多いのは、香りの成分が逃げにくいためです。
数トンの花びらから1kgほどしか採れない希少な精油で、3〜5mlの小瓶での販売が中心です。ローズオットーより手に取りやすい価格帯ですが、いずれも高価です。まずは3mlから香りを確かめるのが現実的です。